重体スハルト元大統領の“恩赦要請”は勇み足か

2008年2月号
カテゴリ: 国際

 かつてインドネシアで長期政権を誇ったスハルト元大統領が、肺浮腫などで心肺機能が低下、一月四日にジャカルタ市内の病院に入院し、重体に陥った。 そんな中、国会第一党のゴルカル党が、ユドヨノ大統領にある「書簡」を送っていた。同党の前身ゴルカルは、一九九八年の政権崩壊まで約三十年間、スハルト政権を支えた。「書簡」の中身は、大統領在任中の巨額の不正蓄財に関する民事訴訟も含め、スハルト氏に対する訴追の中止を求めるもの。「疑惑は疑惑だがインドネシアを地域の経済大国に成長させるなどの功績は功績であり、重体に陥った元大統領の訴追は寛容の精神に反する。過去の過ちは許すべきだ」としている。 これに対しスハルト氏の弁護団が「書簡は過ちを犯したことを前提にしており認めるわけにはいかない。過ちだったのか否かがまさに係争中である以上、承伏しかねる」と反発した。 ゴルカル党内の、スハルト政権時代の側近や支持派は「元大統領への『特別配慮』があくまで目的で、有罪を前提にしたものではない」と抗弁するが、一部のゴルカル党員からは「書簡は勇み足だ。責任者は謝罪すべき」との強硬論も出ている。

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