老害批判の元祖「牛尾治朗」の晩節

執筆者:大神田貴文 2008年2月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

世の中には不思議な存在がいる。自ら政府の審議委員をあまた務め、人事と聞けばリストを差し出す。さてその御仁の能力とは――。「ミスター・ウシオは何者なのか」 日本のエコノミストや証券アナリストは海外の機関投資家から牛尾治朗・ウシオ電機会長(七六)についてしばしばそう尋ねられ、答えに窮する。 ウシオ電機はスキャナーやコピー機のハロゲンランプ、半導体の露光装置などで世界的なシェアを誇る東証一部上場企業。とはいえ、連結売上高で千五百億円そこそこの中堅メーカーにすぎない。その経営トップが政府の諮問機関に繰り返し登用され、歴代の為政者に「ご意見番」として重用されるばかりか、要職人事にも口出しを続ける姿が奇異に映るのだろう。 牛尾は財界人の中でも際立って政治と近い。「政財界の橋渡し役を買って出ている」と言えば聞こえは良いが、単なる世話好きのボランティアとは言い切れない。 つい最近もその影がちらついた例がある。NHKの会長人事。次期会長は橋本元一会長(六四)の任期切れ直前になって福地茂雄・アサヒビール相談役(七三)に決まった。迷走したように見えるが、実は安倍晋三前首相を支援する財界人が集う「四季の会」がシナリオを描き、舞台回しから主演までこなす三文芝居だった。牛尾は会の主要メンバーである。

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