度胆を抜かれるほどの金持ちに、給与ももらえぬ教師。矛盾は拡大する一方だ。広東省では新たな“実験”も始まったが……。 輝くシャンデリアの下、霜降り牛肉にワインをかけて焼く香りが漂う。小さな体育館ほどもある広いラウンジを抜けた奥の個室には、真ん中に畳一枚ほどの鉄板台、周囲にコックや給仕が控えていた。「さあ、どうぞ」と友人に勧められほおばったステーキは、二十年以上中国の牛肉を口にしてきた身にも驚くほどの美味だ。思わず「どこで生産した牛肉ですか、やはり合弁ですか」と聞くと、友人はあっさり「お国の神戸牛ですよ。私は世界一だと思います」。
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