「北極の権益」が欲しいのでアイスランドに譲歩した中国

執筆者: 2008年3月号
エリア: ヨーロッパ アジア

 膨大な鉱物資源が眠っているとされる北極圏の権益をめぐり各国の鍔迫り合いが繰り広げられる中、今度は中国もこの争いに加わろうとしている。 ロンドンの外交筋によれば、中国は今春にも、アイスランドとの間で自由貿易協定(FTA)を締結する可能性がある。協定は、中国がアイスランド側の要求に大幅に譲歩したものになるもようで、その最大の理由は、アイスランドとの関係緊密化を図り、北極圏の権益確保への第一歩を固めるためだという。 アイスランドは、北極圏の環境・経済・社会の諸問題を協議する「北極評議会」(一九九六年設立)のメンバー国で、米国、ロシア、カナダといった他の有力加盟国と並び大きな発言権を有している。中国が昨年暮れの同評議会にオブザーバーとして出席した裏には、アイスランドの後押しがあったとされる。

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