千五百億円増資「見返り」で商社にムシられるJAL

2008年3月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 中間期では連結営業利益で前年同期の八十一億円から五百五十六億円へと、市場の予想を上回る業績回復を遂げた日本航空(JAL)。残る課題は資本増強だ。債務株式化(DES)は銀行に断られ、銀行の債務者区分が「破綻懸念先」であることから公募増資も難しい。結局、議決権がない代わりに優先的に配当が得られる優先株での増資を目論み、千五百億円を目指して銀行や商社に奉加帳を回しているのだが、JALに直接“引導”を渡したくないがゆえに増資引き受けに応じる金融機関と違い、「見返り」を求める商社への対応に苦慮している。 増資を要請された三菱商事はJALカードに執心。三井物産は日航の貨物事業への参入、航空機のリース事業を拡大したい双日は日航機の買い取りを持ちかけた。貨物事業には三菱商事も色気を見せ「商事と物産の主導権争いで埒があかない」(主力取引銀行幹部)との声も上がる。 増資ができなければ「燃費のいい新型機への更新が遅れ競争力がつかない」(大手証券アナリスト)。仮に資金集めがうまくいっても経営の主導権を大手商社に奪われる懸念がつきまとう。

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