ロンドン市長選を競う三人の変わり種

執筆者:マイケル・ビンヨン 2008年3月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: ヨーロッパ

いまや世界の金融の中心となったロンドンの行政を司るのは、奇矯左翼か放言右翼か、それともゲイの元警察官か……。[ロンドン発]いまのロンドンっ子に向かって、政治家がつまらないと言う者はいないだろう。五月一日にイギリスの首都ロンドンで行なわれる市長選に名乗りをあげているのはいずれも多弁な一匹狼だ。元トロツキストの現職、おどけた保守の貴族議員、そして同性愛者の元市警副総監補――この三人は、それぞれに所属する政党の「はみ出し者」ながら、ロンドンっ子たちを時に楽しませ、時に怒らせながら、話題に事欠かない選挙運動を繰り広げている。 ロンドンに直接選挙で選ばれる市長職が置かれたのは、わずか八年前のこと。にもかかわらず、このポストを握ることはイギリスの三つの政党にとって政治的に意義があり、世界の金融の中心としてのロンドン繁栄の、そして二〇一二年のロンドン・オリンピックの成功の鍵を握る重要な仕事だと認識されている。 現職のケン・リビングストン(六二)は、直接選挙になって初めて選ばれたロンドン市長だ。ロンドンにはもう一つ、七百年以上前から続く「ロード・メイヤー・オブ・ロンドン」という市長職があり、現在はデイビッド・ルイスが務めている。ロード・メイヤーの主な仕事は、ロンドンの金融街シティを海外に向けて宣伝することだ。儀礼的な仕事が多く、むしろ「ロンドン大使」と呼ぶ方がしっくりくるかもしれない。一方、直接選挙で選ばれるロンドン市長(任期は四年)の方は、人口八百万の大都市の長として、警察や交通、住宅問題など日々の行政を統括する。

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