ヒラリー当選の暁には 注目される「究極の政商」

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2008年3月号

 一月下旬、インドネシアのスハルト元大統領が亡くなった。実質三十二年に及んだ独裁時代、スハルト一族・郎党に寄り添うことで巨大ビジネスを築いた林紹良(スドノ・サリム)や鄭建盛(ボブ・ハサン)は過去の人。一時は「スハルト家の財布」とまでいわれた彭雲鵬(プラヨゴ・パンゲストゥ/一九四四年生)は、石油化学事業に再起を賭けるとみられている。 スハルト政権と不即不離の関係を保つことで九七年アジア通貨危機と翌年の政権崩壊による損害を抑え、華人企業トップを走るのが、インドネシア独特の丁字タバコ(ガラム)製造を軸とする塩倉(グダン・ガラム)集団を率いる蔡道行(ラフマン・ハリム/四七年生)。そして、紙・パルプから金融・不動産まで扱う金光(シナル・マス)集団の黄(ウィジャヤ)一族だ。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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