中国の大需要が後押し 和製規格が国際規格に

執筆者:山田明彦 2008年3月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

 欧州連合(EU)が推し進める国際規格化の波に、日本が対抗しうる分野もある。「送変電機器」という地味な分野ながら、日本勢が開発した百十万ボルトの超高圧送変電(UHV)技術が国際規格に内定した。舞台は、電気機器関連の国際標準化団体「IEC」の共通規格委員会だ。 現在の国際規格は変電機器の世界最大手ABB(スイス)などが開発した百二十万ボルトと、数十年前にイタリアが開発した百五万ボルトの二種類。世界でまだ本格運用されていない百十万ボルトが認定されたことに、日本の電力業界は「快挙だ」と沸き立っている。 UHV技術は各国の最高電圧に準ずる。欧州の最高電圧は四十万ボルトで日本は五十五万ボルト。これを二―三倍した値を各国はUHV電圧に定めている。メーカーは自国の電圧にあわせて送変電機器を開発するため、世界のUHV送電線建設事業で欧州の電圧を求められると日本の既存技術は海外では適用できない。 この状況で和製技術が国際規格に反映されるのは中国の影響が大きい。旧正月の帰省ラッシュ時に電力不足で大混乱に陥った中国にとって、電力事情の改善は喫緊の課題。対策のひとつとして今後、二十本以上のUHV送電線を建設する計画だ。日本のUHV技術は欧州製に比べて送電事故が発生した際に対応しやすい仕組みで、中国は日本の百十万ボルトUHV送電線を複数建設する方針である。

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