「もう一人のライス」の経歴に注目せよ

2008年4月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米 日本

 ライス米国務長官が二月二十七日に来日するより早く、日本に来たもう一人のライスがいる。同月二十五日、横田基地で在日米軍トップの司令官に就任したエドワード・ライス氏だ。国務長官と血縁関係はない。ライス氏は空軍士官学校を卒業後、爆撃機のパイロットになった。注目すべきは彼の経歴にある。 二〇〇五年六月、米軍はハワイのヒッカム空軍基地に第二次世界大戦時の英雄の名にちなむ「ケニー司令部」を発足させた。これはアジア太平洋における航空戦力の統合運用司令部と位置づけられ、戦争遂行時には米空軍だけでなく海軍や海兵隊、場合によっては同盟国の航空戦力も統合運用する。 司令官はハワイにある第十三空軍の司令官が兼務するが、ライス氏は〇六年七月から第十三空軍とケニー司令部の司令官を兼ねていた。その後、部隊配備や訓練を計画する太平洋空軍副司令官を務めたことで、ライス氏はアジア太平洋の航空戦力を掌握し、作戦指揮にも通じたスペシャリストとなった。 一方、横田基地では昨年一月、「ケニー司令部ジャパン」が誕生し、横田の第五空軍副司令官が、第十三空軍司令官代理となった。これは第五空軍を事実上解体し、日本をケニー司令部すなわち戦争遂行司令部に作り変える序章だった。その総仕上げがケニー司令官を務めたライス氏の在日米軍司令官就任である。

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