周恩来「生誕百十周年」イベントを支持固めに利用した胡錦濤

執筆者: 2008年4月号
タグ: 毛沢東 中国
エリア: アジア

「正統性と権威が、ノドから手が出るほど欲しいのでしょう」 中国では、三月五日の故・周恩来首相生誕百十周年に際し、各地で記念活動が展開された。「かつてない盛大な規模」にするよう指示した胡錦濤総書記の狙いを、中国筋が解き明かす。 二月二十九日、人民大会堂での記念座談会には、九人の政治局常務委員すべてが出席、胡は講話で強調した。曰く――周は、人民が災害や困難に陥れば「常に姿を現した」。しかも「あらゆる派閥や地方主義に反対し」「自己や親族、友人のために権力を利用しなかった。個人的な財産も一切残さなかった」。さらに「総理は人民に奉仕する総服務員」との周の発言を「公僕たる共産党人の模範」と持ち上げ、「周ら老革命家の偉大なる精神を継承し発揚する現在の党中央指導集団の決意を示し」(新華社)、政権の正統性を訴えたのだ。

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