総選挙の結果に見る「韓国社会の革命的変化」

執筆者:黒田勝弘 2008年5月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

最大のニュースは与党の勝利よりも低投票率。大きく変わる社会の中で李明博政治は何を目ざすのか。[ソウル発]韓国における総選挙(四月九日実施)の結果は、大統領選に続き韓国社会の大きな変化を物語っているように見える。それは大きく三つあって、一つは投票率の低下が示す韓国国民の政治離れであり、もう一つはそれとも関係する政治的保守化。そして最後はメディアの政治的煽動に有権者が必ずしも乗らなくなったこと、すなわちメディアと国民意識との間に乖離が進んでいるということだ。 今回の総選挙の最大のニュースは、投票率が史上最低の四六%という数字だ。国政レベルの選挙としては史上初めて五〇%を切ったのだ。二〇〇四年の前回より一五ポイントも暴落している。先の大統領選でも投票率は史上最低の六三%だった。これも前回の七一%を大きく下回った。 こうした数字から見る限り、政治的無関心は明らかである。韓国ウォッチャーたちは「あれほど政治好きだったはずの韓国人がなぜ?」と驚き、首を傾げている。韓国からついに政治的熱狂の時代が去ったということだろうか。この変化は本物だろうか。 変わったとすると、韓国人にとって将来に向けた最大の政治的課題である“北朝鮮”のことは、いったいどうなるのだろう。さらには対日感情などその民族主義の行方はどうか。考えてみる価値はある。

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執筆者プロフィール
黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
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