道路財源「一般財源化」のあとこそが大事

執筆者:杉谷剛 2008年5月号
エリア: 日本

道路特定財源を廃しても、同じ勢いで道路を造り続けたら意味がない。国民は厳しく監視すべきだ。 三月二十七日夕方、首相官邸別館一階にある記者会見室には赤いカーテンがかけられていた。首相が国民に強いメッセージを発信する時に使われる「勝負カーテン」。その前で、眉や生え際に白いものが目立ち始めた福田康夫は眦を決して言葉を吐き出した。二〇〇九年四月から道路特定財源制度を廃止し、全額一般財源化する――。 暫定税率の失効まで残り四日。野党が参議院の過半数を占めるねじれがなければ、特定財源制度と、その主たる財源となっているガソリン税(揮発油税と地方道路税でいずれも国税。ガソリン一リットルあたり揮発油税は二十四・三円、地方道路税は四・四円)と軽油引取税(十五円)の暫定税率(ガソリン税に二十五・一円、軽油引取税に十七・一円上乗せする)を存続させる関連法案はとっくに成立していただろう。福田は世論に追い詰められ、道路政策の大転換を打ち出したのだった。 筆者はこれまで本誌で、道路中期計画に潜む利権や道路官僚の天下りの実態について告発してきた。腐敗の温床が莫大な税金を自動的にプールする道路特定財源だった。 四月十一日、首相が言明した「一般財源化」について政府・与党が合意した。これから、六月に「骨太の方針」に盛り込んで閣議決定、夏の〇九年度予算案の概算要求、秋に始まる本格的な税制抜本改革論議と高いハードルを越えていくことになるが、ともかく道路政策の大転換への第一歩を踏み出したことになる。

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