“毒入り餃子”を防げなかった生協の「原点喪失」

執筆者:小田桐誠 2008年5月号
カテゴリ: 政治 社会
エリア: 日本

生協といえば「安全・安心」――そんな連想ゲームは成り立たなくなった。これから、何を“売り物”にしていくのか。 学校の卒業と入学、職場の異動で引越しがピークを迎える三月から四月にかけて、全国の生協は組合員拡大の絶好機を迎える。例年なら職員はパンフレットを片手に住宅地を回ったものだったが、今年は様子が違う。生協の役職員はいま、ギョーザ事件の尻拭いに追われ、駆けずり回っている。「チラシやダイレクトメールによる呼びかけだけでなく、販売記録をもとに組合員の一軒一軒を訪問したり、電話したり、てんてこ舞いです。まずはこれ以上被害を出さないための商品回収。そして問題点を検証したうえで新たな対策を考え実行する。組合員拡大はそれらをすべてやりつくした後でないとできません」 首都圏の生協役員はそう言って肩を落とした。四月四日時点で問題のギョーザの回収率は二割にも達していない。 中国製冷凍ギョーザから有機リン系農薬が検出されたと発表した一月三十日以降、日本生活協同組合連合会(日本生協連)や全国の単位生協はさまざまな組合員対策をとってきた。その過程で、筆者はいくつかの内部文書を入手した。その中身は、現状を守るべきところは変えながら、変えるべきところに手をつけていない生協の姿を浮き彫りにしている。

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