テレビに甘すぎる「激安」電波利用料

2008年5月号

「テレビ局の電波利用料負担は、総計で三十四億四千七百万円にしかならない。一方で営業収益は三兆千百五十億八千二百万円。電波を独占して上げる収益に対して利用料が千分の一。低すぎませんか」 二月末、自民党の河野太郎衆院議員のブログで公開されたテレビ局の電波利用料。有限希少な電波を“激安料金”で独占するテレビ局に、ネットでは「電波利用料を営業収益の三〇%ぐらい取るべきだ」などと厳しいコメントが躍った。 電波利用料は混信防止など電波の安定的で効率的な利用のための行政事務経費として、総務省(当時の郵政省)が一九九三年四月に導入したものだ。携帯電話の普及で国家予算に見込まれる収入額は年々増加し、二〇〇七年度(予算)は総額約六百五十億円。うち、携帯電話事業者の負担が八割以上を占めている。 テレビ局の激安電波利用料が注目されたのは今回が初めてではない。〇二年にもテレビ局の特別待遇に批判が集まったことがある。驚くべきことに、〇二年度までは、NHKと民放全百二十八社を合わせてもたった五億円しか負担していなかったのだ。当時、〇三年十二月に始まる地上放送のデジタル化に伴う電波混信対策費が、当初見込みの七百億―八百億円から千八百億円へと倍以上に膨れることが明らかになった。電波利用料で手当することになり、テレビ局側は、〇三―一〇年度の八年間の時限措置として、しぶしぶ値上げを飲んだが、それでも総額約三十五億円。携帯電話事業者の負担額にはとうてい及ばないものだった。

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