なかなか減らない待機児童 いまこそ抜本的解決策を

執筆者:渥美由喜 2008年5月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 春には、別れと出会いがあり、悲喜こもごもだ。筆者のように乳幼児を保育所に預けている親にとっては、パパ友、ママ友との別れと出会いがある。 新米の親として不安だらけの中、親しくなった親御さんと別れの挨拶をする。戦友との別離に似た、惜別の情が胸をよぎる。一方で、他家の子どもたちがすくすくと成長して立派に巣立っていく姿を見るのは、何とも感慨深く、ジーンとくる。 特に首都圏の認可外保育所では、毎年四月前後に子どもの顔ぶれが大きく入れ替わる。認可保育所へと移っていく子どももいれば、家庭保育から入ってくる子どももいるからだ。中には、総入れ替えに近いところも少なくないようだ。小中学校では入学・卒業を迎える学年以外、入れ替わりはほとんどないのに、なぜ保育所にだけ、こうした現象が毎年生じているのだろうか。 それは、全国各地、特に大都市では、保育所に入れない「待機児童」がかなりの数にのぼるからだ。認可保育所の入所待ちを正式にしている児童数は現在、全国で一万八千人程度だ。しかし、そもそも入所をあきらめてしまっている親が家庭保育をしている児童数を含めた「事実上の待機児童」は五十万―六十万人にのぼると筆者は推計する。大学に入りたいけれども入れない「浪人生」は現在、約九万人なので、その六倍もの「浪人児童」がいる計算だ。

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