コロンビア「越境」ゲリラ攻撃の真相

執筆者: 2008年5月号
エリア: 中南米

隣国エクアドル領に巣喰う左翼ゲリラを空爆。主権侵害もいとわず攻撃した背景には、チャベス・ベネズエラ大統領の暗躍が――。[サンパウロ発]戦果を発表するコロンビアのサントス国防相の顔は、紅潮していた。 三月一日未明、コロンビア軍は隣国エクアドル領のジャングル地帯にあった左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)の拠点を越境空爆。FARCの広報担当を務め、ナンバー2とされるラウル・レジェス幹部らFARC兵多数を殺害した。さらに、レジェス幹部らの遺体やパソコンなどを押収した。 コロンビアとエクアドルの国境は熱帯雨林が生い茂るジャングル地帯を流れる細い川だ。互いの住民同士も普段から隣国に出向き、買い物などをしている。FARCがエクアドル領に勢力を伸ばしているのは公然の秘密だった。

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