任せても大丈夫? 中国民族系の「技術力」

2008年6月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

 二月に浙江省で東芝傘下の米ウエスチングハウス(WH)が開発した新型原発「AP1000」の建設工事が着工した。これが同原発の世界初号機となるものの、技術力に秀でた日韓企業が主要機器を供給するため安全性に懸念はない。だが最近、気になる情報が入ってきた。原子炉圧力容器や蒸気発生器といった原子炉周辺機器の大型鋼鉄製部材を、中国の民族系企業が製造するというのだ。 原子炉周辺機器は韓国の重機械大手斗山重工業がWHから受注していた。斗山重工も鋼鉄製部材を造れるものの、ブルームバーグ通信によると、同社は原子炉周辺機器の鋼鉄製部材を民族系の第一重型機械集団に発注したという。第一重型は中国国内の原発に鋼鉄製部材を納める鍛造大手。パキスタンへ輸出するなど実績はある半面、品質面を疑問視する関係者は少なくない。卓越した技術と知見がなければ高品質で大型の鋼鉄製部材を生み出せないからだ。 鋼鉄製部材は鉄とニッケルなどの合金を成分調整して鋳込み、出来上がった数百トン級の巨大鋼塊を鍛造したり削り加工して仕上げる。重要なのは鋼塊の品質。鋳込み時にスズや砒素といった不純物をどれだけ取り除けるかが勝負所となる。五百トンの鋼塊に二ミリ角程度のゴミが混じるだけで将来割れる恐れが指摘されるくらい、徹底的に不純物を除去する技術が求められるのだ。

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