クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?
クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

現代に“模範”を示すマッカーサーの母

徳岡孝夫
執筆者:徳岡孝夫 2008年7月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

 日本人が最も忘れられないアメリカ人、ダグラス・マッカーサーは、米国史に残る大将軍の一人だが、彼の父アーサーも傑出した将軍だった。フィリピン派遣軍司令官として赫々たる功績を上げた。ダグラスの前半生は、一日も早く父に追いつくことにあった。母(アーサーの妻)ピンキーも、それを望んでいた。 父の長期出征中に、ダグラスはウェストポイントの陸軍士官学校に入学した。ピンキーは士官学校の近くに家を借り、近距離からダグラスを見張った。しっかり勉強しているか、つまらない女の子とデートしないか、監視したのである。 母の力があって、ダグラスは首席で卒業した。陸軍での栄達は約束された。任官後も、ピンキーは陸軍上層部への運動を続けた。ダグラスは米陸軍史上で最も若い将官になった。そして一九三〇年、ついに陸軍参謀総長を射止めた。 ピンキーは我が子を抱き、肩章の四つの星を撫でながら言った。「ダグラス、あなたはお父さんの夢を叶えたんですよ」。元大統領リチャード・ニクソンがこの逸話を書いている。 ピンキーのこの英才教育を、大規模に実践している国が今日の世界にあって、それは韓国である。私はソウル発のロイター通信(五月二十八日)によってそれを知った。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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