「北朝鮮」について日本がアメリカに言うべきこと

執筆者:マイケル・グリーン 2008年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米 朝鮮半島 日本

[ワシントン発]六月二十六日、ジョージ・ブッシュ米大統領は北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除を米議会に通告(正式解除は通告から四十五日後以降)したと発表し、同時に対敵国通商法の対北朝鮮制裁条項を解除する大統領布告を出した。 これに対し福田康夫首相は異を唱えなかったが、日本の主要紙の社説の多くは反発。二〇〇五年九月と〇七年二月の六カ国協議共同声明が謳う「北朝鮮による核兵器および核開発計画の完全な申告と無能力化」が実行されていないにもかかわらず、ブッシュ大統領は、拉致問題で進展がない限りテロ支援国家指定は解除しないとした〇三年の日本との約束を破ろうとしていると書いた。 たしかに、今回の米朝合意には内容面でも手続き面でも問題はある。だが、はっきりさせておかなければならないのは、アメリカは日本を裏切ってもいなければ、米日関係が危機に陥ってもいないということだ。民主党の小沢一郎代表は「米国が決断を下す時、日本の淡い希望的観測は考慮に入っていない」と発言したが、あまりに無責任で単純な見方だ。 アメリカはきちんと日本の声を聞いている。だからこそ、現在進められている外交努力が害でなく利益をもたらすよう念を押すために、日本側はブッシュ政権と来年発足する新政権に対し、現在の米朝交渉の足りないところを補い、北朝鮮の申告に対する検証をし、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題を解決するよう強く主張し続けることが望ましい。

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執筆者プロフィール
マイケル・グリーン 1961年生れ。フルブライト留学生として東京大学大学院に留学。国会議員秘書や新聞記者などで5年間の滞日経験をもち、日本語に堪能。ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)より博士号取得。2001年、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)入りし、04年から05年まで上級アジア部長。06年初めよりCSIS日本部長とジョージタウン大学教授を兼務している。
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