戦略型に転換「対アフリカ援助」のさらなる難題

執筆者:白戸圭一 2008年8月号
タグ: 中国 日本 インド
エリア: アフリカ アジア

かつての“政治家の利権がらみ”から、資源戦略型へとようやく転じた対アフリカ外交。だが、「中国と同じ」と言われないためには――。 サハラ砂漠以南アフリカ(以下アフリカ)では近年、資源開発に牽引された経済成長が本格化し、二〇〇七年の経済成長率は六%に達した。五年に一度のアフリカ開発会議(TICAD)と主要国首脳会議(サミット)の日本開催が重なった今年、日本政府はアフリカ経済の成長という新しい現実に対応すべく、新しいアフリカ支援戦略を打ち出した。 五月二十八日から三十日にかけてアフリカ五十一カ国の首脳らを集めて横浜市で開催された第四回アフリカ開発会議(TICADIV)は、日本が対アフリカ援助外交の転換へ踏み出した会議となった。敢えて言えば、アフリカが解決すべき諸課題を羅列した共同文書を採択する従来のスローガン型外交から、援助によって民間企業のアフリカ進出を後押しし、資源確保への道筋をつける戦略型外交への転換である。七月七日から九日まで開かれた北海道洞爺湖サミットでは、主要八カ国(G8)がアフリカ支援の強化で一致した。

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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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