「サブプライムの戦犯」と指弾される格付け会社

2008年8月号
エリア: 北米

世界を金融の大混乱に陥れた米サブプライムローン問題。その責任追及のターゲットとなったのは――。 米国の首都ワシントンDCの中心部にそびえたつ米証券取引委員会(SEC)の本部ビル。六月十一日、SECのコックス委員長は、大勢の記者を前に、幅広い金融資産の評価に格付けを使う仕組みが「投資家の『格付け依存』の一因になったかもしれない」との見方を示した。「市場の番人」SECが格付け会社批判の口火を切った瞬間だった。 この日、コックス委員長を筆頭とする三人のSEC委員は格付け会社の問題点をめぐり丁々発止の議論を交わしていた。「いかに格付けの透明性を高めるか」。熱のこもった議論から二時間後、SECは格付け会社に抜本的な経営刷新を迫る新たな規制を提案。早ければ年内にも施行される新規制案は五本の柱からなる。(1)格付けの決定プロセスや苦情に一般人がアクセスできるよう公開・記録・保存する義務(2)格付け業務の詳細を年次報告書として公開(3)利益相反に関する情報公開の強化(4)見直し頻度など格付けプロセスの情報公開(5)複雑な証券化商品と他の金融商品の格付け表示の差別化 A4判で数枚の新規制案を読むと、「二十五ドル以上の贈答品の受け取りを禁止」「格付け会社が同一企業に経営コンサルティングと格付け評価を提供することを禁止」「ストラクチャード・ファイナンス(証券化)商品の格付けの手数料の出所などを公開」「格付けに関与するスタッフが手数料などの交渉に携わることも禁止」といった具合に実に細かい。

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