音楽業界で進む「世界的大変化」とは何か

世界のレコード業界が“存亡の危機”に直面している。CDの売上げ激減の一方で進む二大興行会社への“寡占化”。その波は日本へも及ぶ。 レコード産業は滅び、興行会社の時代がやって来る――欧米のエンタテインメント業界では、今や常識である。実際、レコード業界の主要商品、CDの売上げは急速に落ち込んでいる。北米ではこの現象が著しく、米国では二〇〇七年に前年比一九%減、カナダも二一%減となった。欧州でもイタリアが一四%減、フランス、スペインが一二%減で、日本と同率の衰退を見せた。 衰退の要因は主に四つある。 (1)まず、CDの売行き減少が止まらないことから、小売店舗が棚を縮小したことが大きい。ウォルマートなど北米の大型店舗は〇八年にCD用の棚をさらに三割縮小するといわれ、負のスパイラルが止まらない。

カテゴリ: カルチャー
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