サルコジ「地中海連合」の野心的“見切り発車”

国末憲人
執筆者:国末憲人 2008年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

一年前から準備を進めてきた構想をついに現実化。ドイツなどの反発を買いながらも進める野心的な試みの成否は――。[パリ発]七月十四日、フランス革命記念日に催されるパリ・シャンゼリゼ大通りの軍隊行進は、中級国家になって久しいこの国が年一度、せめてもの国威を示す機会だ。その装いが、今年はひときわ派手だった。欧州連合(EU)加盟国と地中海沿岸諸国の首脳が出席。サルコジ大統領は彼らを従え、終点のコンコルド広場に設けられたスタンドに意気揚々と立った。あたかも、ナポレオン時代のフランスの版図を復活させたかのようだった。 フランスは七月からの半年間、EU議長国を担う。その最初の大イベントとして企画されたのが、七月十三日の「地中海サミット」と翌日の軍隊行進だった。サルコジ大統領が昨年五月の就任以来提唱している「地中海連合」の発足を華々しく打ち上げるためだ。 地中海連合は、欧州から中東、北アフリカに達する壮大な協力体制の構築を狙う構想である。地中海に面するすべての国とEU全加盟国に、地中海世界に縁の深いモーリタニア、ヨルダンを加えた計四十四カ国に呼びかけ、リビアを除く四十三カ国が参加。南北間のいくつかの懸案に関する協議の枠組みを形成する目論みがある。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員を経て、現在はGLOBE編集長、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など。
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