資源価格高騰への「大いなる逆襲」

執筆者:新田賢吾 2008年9月号

異常な高騰は、必ず何らかの反作用を生む。今、石油の需要減から鉄に代わる素材の開発まで、さまざまな「逆襲」が目の前で進みつつある。 夏休みが始まり、車で遠出するシーズンが本格化した七月下旬以降、全国のガソリンスタンド経営者は店舗からあがってくる販売情報に肝を冷やしている。平均で前年同期比七―八%減で、二ケタのマイナスになっているスタンドも少なくないからだ。日本のガソリン販売量は人口減少、少子化を反映してすでに二年前からマイナスに転じているが、ここにきて落ち込みの傾斜が急角度になってきた。 東京都内では春以降、首都高速の通行量の減少が話題になっているが、大阪府では主要交差点二百二十カ所の渋滞発生時間の合計が六月に前年同月比三五%減となった。全国平均で一リットル百八十円を突破したガソリン価格が車の利用を手控えさせたうえ、渋滞緩和で走行車両の平均燃費が向上したこともガソリンの売り上げ落ち込みに追い打ちをかけている。 日本以上の車社会の米国でも事情は同じだ。米連邦道路管理局(FHA)が発表した五月の全米の車一台あたりの平均走行距離は前年同月比で三・七%減と、七カ月連続でマイナスを記録した。七カ月連続の前年同月割れは第二次石油危機直後の一九七九年以来という。全米平均で一時は一ガロン四ドル超まで値上がりしたガソリン価格がドライバーの行動様式を変えつつあるといってよい。

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