「懐かしいバラマキ」の復活で日本を待つ「停滞社会」

執筆者:小田博利 2008年9月号
エリア: 日本

格差、格差というけれど、経済の停滞が小さな差を大きく見せる。政治はさらなる停滞へ舵を切りそうで……。 三年間の時間の流れは何だったのか。八月二日に成立した福田康夫改造内閣の顔ぶれをみて、こう感じた人たちは多かったろう。郵政造反組として自民党を離党した野田聖子議員の閣僚就任は、小泉純一郎元首相型の改革路線の終焉を象徴する。中川秀直元自民党幹事長ら上げ潮派はそろって閣外に追いやられた。 幹事長となった麻生太郎氏が改革派の一掃を求めたとも、森喜朗元首相が動いたともいわれ、元幹部が反旗を翻している公明党の動きも指摘される。政治力学の変化は明らかだ。総選挙含みの解説は、その道の専門家に任せよう。ここでは即物的に、次の数字を眺めてほしい。 (A)二・〇%→一・三% (B)二・一%→〇・三% 深夜のテレビ番組の視聴率ではない。政府による二〇〇八年度の経済成長率予測である。(A)は実質、(B)は名目成長率で、一月の政府経済見通しが、七月二十二日の内閣府による年央改定で、どすんと下方修正されたのだ。いくつかの示唆がある。 その一。ゲタを外せば、実質ゼロ成長。期中に経済が横ばいだったとしても達成できる経済成長率を「ゲタ」という。試験などでゲタを履かせるというやつだ。〇八年度のゲタは実質成長率で一・二%ある。それなのに、一・三%の実質成長率見通しということは、〇八年度は期中、実質ゼロ成長であることを意味する。

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