イギリス 「平等化」追求の皮肉な結果

執筆者:サリル・トリパシー 2008年9月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史
エリア: ヨーロッパ

[ロンドン発]ゴードン・ブラウン首相は悩みの種が尽きない。経済の見通しは暗いし、労働党は五月のロンドン市長選をはじめ、地方選挙や補欠選挙で負け続けだ。官僚たちは、ブレア政権の財務相時代からブラウンがぜったいに譲らないと公言してきた財政健全化路線を静かに踏み外したばかりか、重要な機密書類をそこらに置き忘れて無神経さと無能さをさらけ出している。 加えて、イギリスにはもう一つの危機がある。目立たないが、長期的にはイギリスの未来を左右する大きな問題だ。公教育の危機である。イギリスではこの五十年間、労働党が政治力を増すにつれ、特権階級を無くすという目的のもと、公教育の「平等化」が進められた。その皮肉な結果として、さまざまな歪みが生まれている。

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