水着開発競争「第二レース」が始まる

執筆者:生島淳 2008年9月号
カテゴリ: スポーツ

 北京五輪では、男子百メートル平泳ぎで世界新を樹立した北島康介や、男子四百メートル自由形で韓国競泳界に初の金メダルをもたらした朴泰桓、米国のマイケル・フェルプスをはじめ、レーザーレーサー(LZR)を着用した選手が次々と金メダルをとっている。 今年のはじめから競泳の世界は大きく変化した。英国スピード社が発表した水着、LZRがエリートスイマーの世界を席捲したからである。 もともと世界のトップレベルの選手が使用する水着の構図は「三極体制」だった。イギリスのスピード社、イタリアのアリーナ社、アメリカのTYR(ティア)社が各国の競技団体と密接なつながりを持ってシェアを拡げ、そこに有力選手と契約を交わしたアディダス(ドイツ)とナイキ(アメリカ)が参戦しているという構図だった。 しかしLZRはこの戦況を根底から覆し、有力選手のほとんどがLZRになびいた。LZRが革新的だったのは、選手の着心地を重視していた従来の発想を捨て去り、極度の圧迫感を選手に強いて、速く泳げる体勢を水着によって作り出したことにある。 日本では五輪選考会の後、LZRが着用できるかどうか大きな問題になったが、それは自国の会社であるミズノ、アシックス、デサント(アリーナと提携関係にある)とサプライヤー契約を結んでいたからだ。

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執筆者プロフィール
生島淳 1967年生れ。広告代理店勤務を経て93年よりライターとして活躍。著書に『大国アメリカはスポーツで動く』(新潮社)など。
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