【インタビュー】穂坂邦夫(NPO法人地方自立政策研究所代表・前埼玉県志木市長) 歴史的使命を終えた教育委員会の解体を

執筆者:草生亜紀子 2008年9月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

いったい教育委員会とは何なのか。公正中立を装いながら、その実は教育界の“身内”の論理に染まり、「口利き」まで罷り通る。義務教育を立て直すには、まずこの存在から正すべきではないか。 教育の現場という、もっとも不正があってはならないところで不正が行なわれていた。大分県の教員採用に絡む汚職事件だ。本来の合格者の点数を削るなど、得点を改竄してまで自分の子を教師として採用してもらう見返りに一人あたり百万円の金券を受け渡しして贈収賄の罪で起訴されたのは、県教育委員会ナンバー2の元教育審議監、その下の元参事二人と小学校教頭である。 これほど多額の金品が飛び交い、悪質な点数操作が行なわれる例はそう多くないにしても、教員や地方自治体職員の採用に「コネ」が必要というのは、日本社会の半ば常識のようにも語られる。 問題の根底には何があるのか。改革には何が必要か。地方自治に通暁し、著書に『教育委員会廃止論』もある穂坂邦夫・前埼玉県志木市長に聞いた。名ばかりの「市立」小学校――大分の事件をどう見ますか。穂坂 起こるべくして起こった事件というべきです。いわゆる「口利き」は、減ったとはいえ日本社会において常態化していた。そういう土壌に加えて、教育委員会は複雑すぎて外部には理解できない教育関係者だけの閉鎖社会となり、誰からのチェックも受けない密室状態になっていた。今回のやり口は言語道断で、起訴された人はもちろん悪いが、制度にも問題があるといえます。

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