牽引車が去った「公務員制度改革」の長くくねった軌道

執筆者:白石均 2008年9月号
カテゴリ: 政治 金融
エリア: 日本

 内閣改造の行なわれた八月一日夜、自民党改革派議員らは、呆れ果てた表情を隠そうとせず、「改革逆行」「官僚大喜び内閣」などと酷評した。一方、霞が関では、財務省を筆頭に、「これでひとまず安心」との空気が広がった。与謝野馨経済財政担当大臣ら親官僚派が政権に復帰する一方、霞が関と鋭く対立した渡辺喜美金融・行革担当大臣は閣外へ。警戒していた中川秀直議員らの入閣は見送り。おまけに、度を越した“官僚言いなり”姿勢で世間に見放されたはずの町村信孝官房長官まで留任したのだから、官僚にとっては笑いが止まらない。財務省中堅幹部から「これはいくら何でもやり過ぎ。反動が怖い」との声が漏れたほどだ。 そんな中、渡辺氏のお膝元、七月に発足したばかりの公務員制度改革推進本部事務局では、霞が関とはやや異質の空気が漂った。“茂木敏充金融・行革担当大臣”がテレビで報じられると、行革事務局から横滑りしたある参事官は、渡辺氏退任を心底待ち望んでいたに違いないにもかかわらず、喜びを押し隠し、「茂木さんで改革が進むのかな」と敢えて“改革派”風のコメント。「ここで本音を語ってはいけない」と周囲に改めて思い起こさせていたという。 この事務局では、今、いったい何が起きているのか。

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