特集●アメリカ大統領選挙の見えない帰趨 運命の十一月四日 天下分け目の州はどこか

執筆者:ルイス・ジェイコブソン 2008年10月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

副大統領候補に女性知事サラ・ペイリンを指名したことで、共和党陣営がにわかに勢いを増した。支持率で並んだ民主党オバマ候補と共和党マケイン候補。勝敗の鍵を握るのは「紫の州」だ。[ワシントン発]民主党のバラク・オバマと共和党のジョン・マケイン両上院議員にとって、十一月四日投開票の米大統領選挙は、ただ一つの戦いではない。彼らは五十一の戦場――五十の州と首都ワシントン(コロンビア特別区)――での戦いに臨んでいるのだ。二百年前に立案された間接選挙制度により、米大統領選は全国区の単純な一般投票によってではなく、州ごとに選ばれる選挙人の数を最終的にどちらの候補がより多く得たかで競われる。この選挙制度こそが、両陣営が立てる選挙戦略を左右するものとなる。 大統領選が、有権者は「選挙人」候補に投票し、選ばれた選挙人が大統領候補に投票する二段構えになったのは、十八世紀の終わり。合衆国憲法の起草者たちが一般市民を信用せず、より信頼できると思われる選挙人を介して民意を反映させる方法を選択したためだ。ほどなく起草者たちの懸念は無用のものと判明したが、制度は残った。もっとも、今では選挙人による投票は形式的なものに過ぎない。選挙人が一般投票の結果とは違う候補に投票することはないからだ。

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