左翼ゲリラ弱体化を果たしたコロンビアの行方

執筆者:石田博士 2008年10月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米

ベタンクール救出劇でさらに支持率を上げたウリベ大統領。順風満帆にもみえるが、長期政権を目指せば……。[ボゴタ発]七月二日、コロンビア軍の発表は世界を驚かせた。 中南米最大の左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)に約六年間拘束されていたコロンビアの元大統領候補のイングリッド・ベタンクール氏(四六)を含む人質十五人を、一発の銃弾も発砲することなく、全員無事に救出したというのだ。 作戦名は「ハッケ(Jaque)」。スペイン語で、チェスの「王手」を指す。 作戦は、民間人に偽装した軍人が実行したとされる。偽の人質移送計画をFARC幹部に信じ込ませ、民間機に偽装した軍のヘリに人質を乗せた。同乗したゲリラ兵二人は拘束された。機内で「皆さんは解放されました」と告げると一斉に歓喜の声があがった。 この日救出されたのは、ベタンクール氏のほか、米国人三人やコロンビア軍士官ら。FARCが服役中のメンバーとの交換材料として最も厳重にかくまっていた人質である。 ベタンクール氏はFARCによる人権侵害を示す象徴的な存在だった。フランス国籍を持ち、家族もフランスから救出を呼びかけてきたため、その解放は欧州でも大きく取り上げられた。

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