麻生・与謝野「緊急総合対策」は天下の大愚策

執筆者:高橋洋一 2008年10月号
カテゴリ: 政治 金融
エリア: 日本

福田政権が最後に残したのは、壮大な無駄遣い政策だった。意味のない財政政策はいい加減に忘れて、正しい景気対策を取るべきだ。  福田退陣ですっかり影が薄くなってしまったが、八月二十九日に「安心実現のための緊急総合対策」がまとめられた。自民党総裁選後の政局は全く不透明であり、九月二十四日の召集が予定されている臨時国会の冒頭解散さえうわさされている。ということは、この「緊急総合対策」も白紙になる可能性がかなりある。一部には、補正予算の成立を待ってから解散という意見もあるが、総裁選によって自民党支持率が上昇しているので、この機に解散・総選挙をすべきだという声も大きいからだ。  しかし、現時点で、この「緊急総合対策」は政権与党がまとめたものであり、今後の政局を占うためにも、その評価をしておくことは有意義である。特に、この政策は、麻生太郎幹事長・与謝野馨経済財政担当相体制が作成したものであるので、両氏の政策思想がよくわかるばかりでなく、両氏が自民党の中心人物である限り、政策が具体化する可能性もあるからだ。  その冒頭第一章「基本的考え方」で、今回の総合対策に至る経緯が述べられている。「二〇〇二年第一四半期から始まった景気回復は総じて外需依存型であり、家計全体は賃金増を通じてその恩恵を実感するにはいたらなかった。こうした中、世界的な原油・食料価格高騰により、農林水産業者や中小企業者など、価格転嫁が困難な立場にある生産者の活動は大きな打撃を受けている」。

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執筆者プロフィール
高橋洋一 1955年東京都生れ。東京大学理学部数学科、経済学部卒。80年大蔵省(現財務省)入省。小泉・安倍内閣で竹中平蔵大臣補佐官、内閣参事官として郵政民営化、特別会計改革、公務員制度改革などに関わる。2008年に退官。09年政策コンサルティング会社「政策工房」設立。『恐慌は日本の大チャンス』(講談社)、『さらば財務省!』(同、山本七平賞)など著書多数。著書に『官僚のレトリック』(新潮社)がある。
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