「決戦目前」で問われる民主党「政権奪取」の本気度

執筆者:野々山英一 2008年10月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 九月九日。民主党代表の小沢一郎氏は党本部の代表室に、党都連会長の円より子氏を呼びつけた。「東京は厳しい。今のままでは二つか三つしか取れない」 小沢氏の手には、届いたばかりの衆院選情勢調査結果が握られていた。党公認候補を決めるために党が独自で行なっていたものだ。 民主党は、二〇〇五年の衆院選では“小泉劇場”のあおりを受け、二十五選挙区ある東京で一勝二十四敗に終わった。次の衆院選も「二、三勝しかできない」ことになれば、三年前の悪夢の再来になりかねない。 八月末まで、民主党は自信に満ちていた。福田内閣の支持率は二〇%台で低迷。民主党の支持率は自民党を上回り、多くの議員は政権交代を確信していた。「福田政権なら、いつでも倒せる」 自民党内では七月中旬から福田おろしのシナリオが練られていたし、福田康夫首相が遠からず政権を投げ出すという説もあった。民主党側にも断片情報は入っていたが、なぜか「内閣改造もなかなか決められない男が、辞任を決断できるわけがない」という根拠のない楽観論が党内を支配していた。「半身」で狙う「次の次」? もし民主党が福田辞任情報を真剣に受け止めていたら、九月八日告示、二十一日投票の党代表選を無投票にはしなかっただろう。自民党がポスト福田を争う総裁選を始めても、民主党が代表選をやっていれば埋没することはないからだ。

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