知らないうちに食卓に載っている「組み換え作物」。その種子を作り出す巨大企業の内幕を、我々は覗いたことがない。 世界中からマネーが流れ込む金融大国アメリカ。担い手となってきた投資銀行が拡げた傷が世界経済を傷つけ、その威信には陰りが差した。対照的に、世界中に穀物を供給する農業大国アメリカの存在感は高まる一方だ。その実体は、ほんの一握りの巨大企業と国家(米農務省)が一体となった産官アグロ・コングロマリット。世界貿易機関(WTO)の貿易交渉が停滞する中、コングロマリットの軸足は、関税引き下げによる輸出市場の拡大から、遺伝子組み換え技術やエタノール生産など科学・技術を使った競争力の強化に移っている。
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