政治が寄りかかる「世論調査」の“罪”と打開策

執筆者:金井辰樹 2008年11月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

今や誰も信じていない数字で政治が動く不条理。わずかながらも打開の試みが始まっているが……。 衆院解散・総選挙がいつ行なわれるか予断を許さない情勢の中、永田町では「世論調査」が氾濫している。新聞・テレビによる調査、自民党や民主党が行なう選挙情勢調査……。行政による意識調査もある。「麻生内閣支持率は政権誕生直後にしては低い」「民主党の支持も首都圏では伸びていない」「国民は早期解散より景気対策を求めている」 各党とも、調査の数字を縦にしたり横にしたりしながら分析し、〇・一ポイントの増減に一喜一憂する。麻生太郎首相が衆院解散のタイミングを最終判断する際も、世論調査の数字が決め手になる。実際、麻生氏が、臨時国会冒頭での解散を見送ったのも、組閣直後の世論調査で支持率が期待通りに伸びず、自民党が行なった選挙区ごとの調査の結果も芳しくなかったことが要因だったとされる。民主党が候補者へ公認を出すか出さないかも世論調査がものをいう。 政党だけではない。マスコミも調査の数字をもとに政局を先読みし、論調を組み立てる。マスコミは、立法、司法、行政の三権に次ぐ「第四の権力」と呼ばれるが、今やマスコミも含めた既存の四権力は世論調査という「第五の権力」に翻弄されている。

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