共同歩調をとろうにもいまひとつのEUで最も“危険視”される国

2008年11月号
エリア: ヨーロッパ

 米国発の金融危機が欧州にも波及し、各国政府や中央銀行が対応に追われている。サブプライムローン(低所得者向け住宅融資)問題の余波でこれまでも英国やドイツの中小金融機関が経営難に直面していたが、九月以降は大手金融機関の経営危機が相次ぎ表面化し、動きが慌ただしくなっている。 発端となったのは英国の金融大手であるHBOS。主力事業の個人向け住宅ローンで損失を膨ませ経営危機に直面。事実上の英政府の支援のもとに英大手銀行ロイズTSBに救済合併された。これに続き、オランダ・ベルギーで銀行・保険業務を行なう金融大手フォルティスの株価が急落し、オランダ・ベルギー・ルクセンブルクの三カ国は公的資金の投入を決めた。 さらに九月末にかけてフランス・ベルギー系のデクシア、ドイツのハイポ・リアル・エステートなどが公的資金の投入や公的支援による緊急融資を受ける事態に陥り、英中堅銀行のB&Bも国有化に追い込まれた。 欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領は十月四日にEU主要国の英独仏伊と欧州中央銀行(ECB)、欧州委員会による緊急首脳会議を開催。「金融システムの安定のためにあらゆる措置を取る」との共同声明を発表し、金融市場の不安解消を狙った。だが、各国の資金拠出による「銀行救済基金」の創設がドイツと英国の反対で見送られるなど、かえって加盟国の足並みの乱れを露呈する形となった。

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