「財源問題」で叩かれる民主党だが、そちらの方は全くの絵空事でもない。だが、致命的な欠点は、自民党と同じく金融政策にある。 最近の米国金融危機をみると、世界恐慌に突入するのではないか、といった悪い予感を多くの人は抱くだろう。ニューヨーク株式市場は猛烈な下げとなり、十月十日、ダウ平均は八四五一ドルと五年前の水準になった。たしかに、米国にとって、一九三〇年代の大恐慌以来の出来事であることは間違いない。米国株式市場の先行きに対する投資家の不安心理を示す指標として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は、平常時には二〇―三〇であるが、一時七二・四四まで上昇した。連日の“最高値”更新であり、十日の終値も七二・三一だった。金融危機が欧州へ拡大する動きを見せ、世界同時株安になるとの予想からだった。
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