日本の太陽光パネルは薄型テレビの二の舞か

執筆者:新田賢吾 2008年12月号

お家芸だったはずの太陽光発電システムで、日本のシェアが急速に低下している。日本政府も産業界も戦略を見直すべき時だ。 液晶、プラズマなどのディスプレー・パネルを使った薄型テレビの需要が急拡大を続けるなかで、もうひとつのパネルが地球規模で需要を伸ばしている。 太陽光発電パネルである。太陽光発電はもともと人工衛星の電源用として実用化された特殊な技術だったが、一九七三年に第一次石油危機が起きてからは、「脱石油」のエネルギー源として一般向けの利用を想定した技術開発が始まった。同じ自然エネルギーの風力発電が文字通り風まかせのいささか不安定な電源であるのに対し、太陽光は晴天でなくとも一定の明るさがあれば発電でき、冷房など電力需要がピークとなる夏場の日中などに発電量も増えるため、エネルギー源としての実用性、有用性が高い。 日本では第一次石油危機後、通商産業省(当時)が進めた「脱石油」のサンシャイン計画の中核技術に据えられ、研究開発が進んだ。九〇年代になって、戸建て住宅の屋根に載せ、発電するシステムが発売され、これに公的助成制度も設けられたため、一般向けに普及が進んだ。太陽光発電設備の累積導入量では日本が長らく世界のトップを走ってきた。シャープ、三洋電機、京セラ、三菱電機などが太陽光発電システムを生産し、日本メーカーは世界市場で圧倒的な存在感を持っていた。

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