崖っぷちのGMが訪日失敗 トヨタにまだ脈はあるのか

2008年12月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

 経営危機に陥った米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が、米三位のクライスラーとの合併交渉の最中に、トヨタ首脳との会談を打診していた。合併交渉が大詰めに入ったと報じられていた十月三十日未明(日本時間)、共同通信が「トヨタに支援要請へGM」、「トヨタ、GMの訪日断る経営支援要請で」と二本の速報を配信。GMのワゴナー会長がトヨタに支援を要請するための訪日を打診しているとの内容だった。 トヨタは完全否定したが、トヨタ関係者は「GMがワゴナー会長の訪日とトヨタ首脳との会談を打診してきたのは事実。打診された日にちは十一月一、二日だった」と打ち明ける。訪日の表向きの理由は「(名古屋市郊外にある)トヨタ博物館に、GMとトヨタが米国の合弁会社で製造した新車の第一号車を寄贈する」というもの。時期が時期だけにトヨタ側にそれを信じる者はなく、「のどから手が出るほど欲しい現金での支援交渉だろう。簡単には決断できないが、来たら手ぶらでは帰せないし……」と呻吟していたところ、結局、「向こうから打診を撤回してきた」(先の関係者)という。 当のGMは一連の報道について「他の自動車メーカーともお互いの利益になる話題については話し合っている」と曖昧なコメントに終始したが、「具体的な協力を得られる確証がないから訪日をとりやめた」ようだ。その後、クライスラーとの合併交渉が頓挫し、ワゴナー氏は「米政府支援などがなければ」延命は難しいと泣きを入れた。もう一つの“頼みの綱”トヨタの出方が依然注目されている。

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