認可「外」保育所にも学べ「上から目線」はもうたくさん

執筆者:渥美由喜 2008年12月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 二〇〇八年四月、民間の認可保育所数は、公立を初めて上回った。一方で、認可外保育所は伸び悩んでいる。これは、国の財政支援が認可保育所に偏っているからだ。 厚生労働省は、「認可保育所へ入所できなければ、質の保障も公費投入も得られないというのは、公平性に欠ける」という問題意識の下、認可外保育施設の質の向上に対する支援を強化すべきという方針を打ち出した。公平性に欠けるという現状認識を示したことは一歩前進だが、相変わらず「認可外は、認可よりも質が劣るから、引き上げてやろう」という「上から目線」を感じる。 実は、認可外保育所だからこそ規制にとらわれずに、確固とした保育理念に基づき、質の高い保育サービスを提供できる面もある。その好例として、滋賀県の和洋菓子製造販売「たねや」が運営する事業所内保育所「おにぎり保育園」を紹介したい。 同園は、食を扱う企業らしく、「食へのこだわり」が徹底している。園庭は、自然を活かした土地の起伏や庭木を多用し、プラスチックの遊具は置いていない。そこで、さまざまな有機農産物を栽培している。建物自体も木の素材を活かした建築技法が施されていて、温かみがある。 そして最大の特徴は、保育室の真ん中に「調理所」が設けられていることだ。五感で感じる「調理所」を作れないかと模索した結果、この設計に落ち着いたそうだ。現在の認可基準では、この設計は安全性に問題があるとして認められていない。

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