先進国がすがる金融危機“直撃”を逃れた「よりマシ」なインド

2008年12月号

 景気後退の波がインドにも及んできた。代表的な株価指数であるSENSEXは今年一月の二万ポイント超えを最後に下落に転じ、十月には一時九千ポイントを割り込んだ。通貨ルピーも一ドル=四〇ルピー割れの高騰から一転、最近では一ドル=五〇ルピーを超えるほどだ。 こうした景気後退局面で、インドと米欧との経済面での結びつきの深さがいっそう目立っている。金融の世界的大手、米シティグループは十一月、バンガロールに持っていた事務業務受託子会社を五億ドルで売却することを決めた。この子会社は引き続きシティからの業務受託を続けるという。 日本でも一九九〇年代、本支店などを売却しながら、その後もテナントとして入居し続ける金融機関があった。今回のシティも狙いは巨額の売却益の計上による財務内容の底上げだろう。ただ、日本の銀行の場合、保有不動産の売却先は子会社や系列の不動産会社など“身内”だったが、シティが子会社を売った相手はインドのITサービス最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ。米国とインドの経済はそこまで近しい。 先進国経済の“インド頼み”の姿勢は、これにとどまらない。生産・サービス拠点としての強みであるコストの低さはルピー安で強化されつつある。韓国の製鉄最大手ポスコはオリッサ州での巨大製鉄所建設計画の続行を決めたし、英国の製薬大手グラクソ・スミスクラインはムンバイに開発支援センターを新設する方針を打ち出した。

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