経済の「弱み」を突かれた韓国の必死の防戦

2008年12月号
エリア: 朝鮮半島

[ソウル発]九月四日、IMF(国際通貨基金)のソウル事務所がひっそり門を閉じた。外貨が底をついた韓国から融資要請を受けたのは十年前のこと。そのIMFの撤収と軌を一にして韓国を「第二の通貨危機」説が襲ったのは皮肉な巡り合わせだ。 韓国の通貨ウォン相場は昨秋からじわじわウォン安が進み始め、米金融危機の深刻化で底割れした。十月末には十年七カ月ぶりの水準となる一ドル=一四九五ウォンまで売り込まれ、金融市場は「アイスランドの次は韓国」と身構えた。 それでも李明博大統領は十月二十七日の国会演説で「十年前とは状況が全く違う。韓国に通貨危機はあり得ない」と断言する。韓国の外貨準備高は一九九七年末の十倍。不測の事態に備えたセーフティーネットの確保にも余念がない。中央銀行の韓国銀行は米連邦準備制度理事会(FRB)と三百億ドルの通貨スワップ協定を締結し、直ちに外貨が枯渇するシナリオは考えにくい。 だが李大統領が言うように、仮に韓国が九七年のようなIMFの支援を受ける「通貨危機」を回避できたとしても、問題は収まらない。 急速なウォン安はジャブジャブの海外マネーに覆い隠されてきた韓国の脆弱な経済基盤を抉り出し、すでに実体経済の傷みに飛び火しているからだ。ウォン下落の主導役は「パニック的なドル買い」から「理にかなったウォン売り」に移り、韓国を締め上げていくことになるだろう。

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