米経済を差配するサマーズは「水槽の中の鯨」か

執筆者:ブルース・ストークス 2009年1月号
エリア: 北米

[ワシントン発]「コックが多すぎればスープは台無しになる」――。バラク・オバマ米次期大統領は、才気あふれる「経済シェフ」を政権のキッチンに招集しつつある。個性派ぞろいの彼らが協力できるか否かを明言するには時期尚早だが、ひとつ明確なことがある。次期大統領は、ホワイトハウスから直接、経済運営の指揮をとるつもりだということだ。 伝統的に経済政策の主導権を握るのは財務省だったが、クリントン政権発足直後、ロバート・ルービンが国家経済会議(NEC)議長に就任すると政策立案はホワイトハウスの手に移り、ルービンの財務長官就任とともに財務省に戻った。その後、ブッシュ政権でまたもやホワイトハウスに。指揮したのはカール・ローブ大統領次席補佐官だ。その辞任後、ハンク・ポールソン財務長官が主導権を奪還したが、ラリー・サマーズ元財務長官(五四)がNEC議長に就任すれば、主導権を握るのはやはりホワイトハウスとなる。「今日ほど巨大な危機に直面している時は、様々な意見の違いを押さえ込める強い影響力を持つ人間がホワイトハウスにいなければならない」と語るのは、国際金融アドバイザーのハラルド・マルムグレンだ。 ただし、ホワイトハウスに権力を集中させすぎると、必要な情報が流れてこない恐れがある。「(出席者の調整をして)ホワイトハウスで会合を開くより役所で会合を開く方が十倍簡単だ」と言うのは、コンサルタントのデイビッド・スミックだ。「つまり、サマーズに十分な情報がいかなくなる可能性がある」という。

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