従業員の子どもを預かる社内保育施設の「柔軟性」

執筆者:渥美由喜 2009年1月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 現在、全国には約二万二千九百カ所の認可保育所があり、年間約二百万人の乳幼児が入所しているが、都市部を中心に依然として待機児童は多い。国は「新待機児童ゼロ作戦」を掲げているものの、二〇〇八年は五年ぶりに待機児童が増加。財政制約がある中で、多額の予算のかかる認可保育所を増やすには限度がある。 一方、認可外保育所は約一万カ所あり、三分の二は一般の保育所、三分の一は前回紹介したような事業所内保育施設だ。認可保育所と比べて、認可外保育所では、預ける側のニーズに、より柔軟な対応ができるという特長がある。以下、二つの事例を挙げて説明したい。 一つ目の事例は、富山県の繊維製造・販売メーカーのオーアイ工業。同社は、事業所内保育施設がある企業の中で(保育サービス業そのものを除いて)日本でいちばん「社員に占める保育士割合が高い」企業だ。二百数十人の従業員のうち、保育士が三名いる。そして、産後八週の〇歳児から三歳児までを預かる。保育料は無料であり、工場の敷地内に併設されているので、子どもの具合の悪い時や緊急時にもすぐに連絡がとれるというメリットもある。これまで出産した従業員のほぼ全員が、社内の保育施設に子どもを預けて復帰しているという。

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