台湾の英雄・陳水扁「墜落」の波紋

2009年1月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中国・台湾

[台北発]十二月十二日、台湾の陳水扁前総統が起訴された。 主な起訴内容は、(1)総統府機密費の不正流用、(2)台北市郊外の土地売買にからむ収賄、(3)海外口座を使ったマネーロンダリング(資金洗浄)。このうち(1)をめぐっては、呉淑珍・前総統夫人が二〇〇六年十一月に起訴された(公判継続中)が、本人は総統現職の特権で起訴を免れた。その際、捜査当局は「お辞めになった時はわかりませんよ」と通告していた。 〇八年五月に退任した前総統は、香港系の週刊誌が(3)の疑惑をすっぱ抜いた八月に会見を開き、「妻が私に隠れて余った選挙費用を海外に送金した」と釈明した。しかし、捜査当局は九月以降、元側近や親族を次々に逮捕し取り調べを進め、前総統夫妻が事件を主導した確証が得られたとして、十一月に本人逮捕に踏み切った。台湾の「独立」を掲げ二期八年を務めた前総統は、すべての容疑を否定しているが、無期懲役の求刑もありうる。 起訴時点で、陳一族が海外の口座に不正蓄財した約二千百万米ドル(約十九億円)が確認されている。捜査当局は、そのうち一億台湾ドル(約二億八千万円)超が(1)で、残りは企業などからの賄賂とみているようだ。

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