「無政府状態」を見事に演じる自民党の断末魔

執筆者:河内龍夫 2009年1月号
カテゴリ: 政治 金融
エリア: 日本

責任政党として日本の政府を支える前に、自分たちがアナーキー状態。麻生自民党の末期症状は日に日に悪化している――。 こんなはずではなかった――こう思うことは誰にでもある。九月の自民党総裁選に大勝し、勇躍総理大臣の座を射止めたにもかかわらず、もはや身内の自民党ですらため息をつくしかない不人気に悩む麻生太郎首相も、まさにその一人であろう。 未曾有の国難を乗り切るにあたり、政権運営の準備は万端、のはずだった。 経済ブレーンは財政出動派のエコノミスト、リチャード・クー氏(野村総合研究所主席研究員)。福田政権下で自民党幹事長になると、麻生氏は、二〇〇八年八月中旬に中川昭一現財務大臣とともにクー氏と会合を持った。天下獲りを目前に経済指南を仰いだのだろう。クー氏との縁はそれ以前から。〇一年に経済財政担当相を務めた際、最大の課題の一つは財政再建だったにもかかわらず、麻生氏は財政出動に積極的な発言を連発し、周辺をやきもきさせていたのだが、これもクー氏の影響。その後、政調会長時代には、クー氏が好んで使う「バランスシート不況」「合成の誤謬」といった経済用語を講演で多用していた。ところが、いざ総理になってみれば、世界的な金融危機に加え、首相本人の杜撰な政権運営のせいもあって、今のところ“師の教え”がお国の役に立つ場面は訪れていない。

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