「失業したわけではありませんが……」――台湾・馬英九総統は、昨年秋から暮れにかけ、世界各地に派遣した「両岸(対中)関係担当」の国家安全局要員の一部を一時帰国させ「今後、大陸への浸透活動や機密情報の収集は慎重に」と指示した。ある要員は、急な方針転換に戸惑い、「開店休業」状態だとボヤく。 台湾には総統直轄の国家安全局と、国防相直属の軍情報局という二つの情報機関がある。馬政権発足とともに両機関トップは交代し、軍情報局も大陸でのスパイのリクルートや浸透を自粛するよう命じられた。だが基本的な軍事情報収集は続けている。国家安全局をより厳しく締め付けたもようだ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン