高脱塩・高透過を実現した日東電工の「逆浸透膜」――水の世界をリードする日本の「膜」技術 1

執筆者:船木春仁 2009年2月号

 一九六一年に、米大統領ジョン・F・ケネディが、「六〇年代中に月への有人飛行を実現する」と宣言したのに合わせて一つの新技術の開発が始まった。常に“水不足”状態にある宇宙で、飛行士の汗や尿を再生して水を造る技術だ。以来、半世紀。NASA(米航空宇宙局)は昨年一一月、国際宇宙ステーションに尿を飲料水に変えるWRS(ウォーター・リカバリー・システム)を設置、若田光一宇宙飛行士が長期滞在を始める今年二月から本格稼働させる。 日本で、国民一人が一日に使う水の量は三〇七リットル(生活用水とビルの空調やトイレ水などの都市活動用水の合計、二〇〇五年度)。対して、国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士は三・五リットルにすぎない。シャワーの代わりにウェットティッシュで体を拭き、洗い流す必要のないシャンプーを使う。これまでは二リットル分を地球から運び、一・五リットル分はエアコンで除湿した排水を再生していた。WRSが本格稼働すれば毎日一・三リットルの再生水が得られる。日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)などによると、WRSは汗や尿を「蒸留」した後、他の使用済みの水と一緒に濾過してヨードを加えて浄化処理する。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順