家電小売最大手が墓穴 日本メーカーにも影響か

2009年2月号
エリア: 中国・台湾

 中国の家電量販店最大手、国美電器の動きに業界の注目が集まっている。創業者で中国長者番付常連の黄光裕氏(三九)が昨年十一月に株価操縦や脱税など複数の経済犯罪にかかわった疑いで公安当局に身柄を拘束されて以来、金融機関が融資姿勢を硬化させ、資金事情が急速に悪化しているというのだ。 黄氏は広東省の農村出身で、腕時計などの行商で稼いだ金を元手に一九八七年に十八歳で北京に国美の一号店を開き、わずか一代で巨万の富を築いたとされる立志伝中の人物だ。米フォーブス誌の中国富豪番付の常連で、二〇〇八年版では推定資産が四百三十億元で二位だった。 黄氏は九〇年代の不動産開発ブームに乗って店舗数を急拡大。さらには永楽電器や大中電器などの大手家電量販店や小さな電器店を次々と買収し、現店舗数は千三百余りに達する。業界二位の蘇寧電器(約八百店舗)を大きく引き離す業界のガリバー的存在だ。 その分、今回の疑惑がメーカー側に与える影響も懸念される。「販売への影響? こちらが聞きたいくらいですよ」。国美に薄型テレビ「アクオス」などの主力商品を納入する大手電機メーカー、シャープの社員は苛立った様子で電話を切った。 シャープはこれまで国美との取り引きをテコに中国市場での知名度を高めてきた。北京五輪期間中の薄型テレビ市場でシェア一位を獲得し、今後は携帯電話端末でも攻勢に出る手はずだっただけに、戦術の練り直しを迫られる可能性も出てきた。

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