深層レポート 日本の政治 (109)

燻る「自民分裂」の火種と民主を待つ陥穽

執筆者: 2009年2月号
タグ: 日本
エリア: アジア

 臨時国会最終盤の十二月二十四日の衆院本会議で、自民党の渡辺喜美元行政改革担当相が造反し、民主党提出の衆院解散要求決議案に賛成した。麻生政権打倒を狙う民主党にとっては、自民党内の造反の動きは歓迎すべき出来事である。特に渡辺氏の行動の裏には、自民党離党予備軍との連携の可能性を探ってきた民主党の影がちらついている。 渡辺氏の選挙区である衆院栃木三区で、民主党がいまだに次期衆院選候補者を決定していないのも、表向きの理由は「渡辺氏が選挙に強いので、立候補希望者がいない」(選対関係者)ことだとされているが、渡辺氏の離党の動きを見越して将来の連携のためにあえて空白にしてあるとも言われている。

カテゴリ: 政治
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